高校3年の終わり、友人とデパートでバイトをした。その頃高校生がバイトをすることは学校で禁止されていたが皆お構いなしにバイトしていた。
私はバイトの経験がそれまでなく非常に緊張したものだった。
私達が配属されたのは地元のお土産もののお菓子や饅頭、お年賀に持っていくちょっとしたお包みなどの菓子売り場であった。
初日責任者のおじさんから
ここは1番難しい売り場だから。
などと脅された。
難しいといえども私達はやるしかなかった。慣れない2人だけに店を任せるくらいだったので、
何言ってるの、そんなに難しくないんじゃないの?
と気楽に構えていた。
でも私達がバイトした日々は年末年始だったのでお土産やお年賀に持っていく菓子を買い求める人でごった返し、想像以上の忙しさで、慣れないせいもあり初日から非常にきつかった。
慣れないレジ。商品包装。在庫を確かめに倉庫に走る。店内は人だらけで思うように歩けないほど。
そんなこんなでかかとが痛い日々が続いた。
しかし日を追うごとに仕事にも慣れて楽しくなってきた。
相変わらずわからない事はあり冷や汗たらたら💦するものの、充実した仕事だなぁと感じていた。
特に働いている従業員ウォッチング😜なるものを友人と密かに楽しんでいたからだ。
それは授業中に先生をウォッチングしては楽しんでいた行為に似ていた。
(授業聞かないのかーい)
まずはチーフの小宮山さん。その人はプロ野球選手の栗山選手に似ていたので私達の間では、
「チーフ栗山」とか言っていた。
その人は寝癖がすごくいつも髪の毛がはねているのである。普通の人よりつむじが後ろにあったせいなのか、、?
抑えても抑えてもはねてしまうといった感じであった。
その寝癖が最高潮に達した日、そのあまりの寝癖に吹き出しそうになった。
頭のてっぺんの毛が鳥のようだったのでとうとう
「チーフ栗山」から
「トリ男」と改名されてしまったのだ。
トリ男は皆から「おじさん!」と呼ばれ弁当を持参していた所をみると、当時の私達の年齢判断では30過ぎくらいの年齢に見えた。
次は萩原さんという人でお客さんに
「2900円の三笠山はどれですか?」
と聞かれ
「え?2900円のドラちゃん?えーっとドラちゃんはぁ〜」
などと真面目な顔で言うのでおかしくなって客の前だと言うのにこれまた吹き出しそうになった。
三笠山というのはいわゆるどら焼きの事である。
そしてその日から彼は
「ドラちゃん」と命名されたのであった。
おば様達に「萩原くん!」と呼ばれていたので私達の年齢判断は25.6歳ではないか?との判断が下された。
そしてもう1人は大久保さんという人。その人は体格の良い人で友人が熊に似ていると言っていた。そして速攻
「くまさん」と命名。
くまさんはお茶目な人で漢字を間違えて書いてしまった時、
「あれ?違うかな?大ボケしちゃった」
などと言うので私達はこれまた吹き出しそうになってしまった。
くまさんはお茶目すぎて私達の年齢判断は見当付かずであった。
しかしくまさんが立っている時のポーズはキリリとしており
「よっ!デパートマン!」
と言っちゃいそうなくらい決まっていた。
しかし私達は
「熊の格好をさせたらピカイチかもね」
などと言っては笑っていたのである。
この3人の
トリ男
ドラちゃん
くまさん
をウォッチングする事で私達の日々は楽しいものだった。
当の3人はまだ18そこそこの娘にそんなあだ名をつけられているなんて知る由もなかったのである。
だからバイトが終わる日は非常に悲しかった。もっとここでバイトしたかったなぁなんて思っていた。楽しい9日間であった。
その後バイト料を貰いに再びデパートを訪れた。いつもの曲が店内に流れていて、
トリ男はいつもの寝癖。
くまさんはいつものポーズでキリリと立っていて、ドラちゃんは変わらずであった。
寝坊な私が朝起きるのも辛くなく、さあ行くぞ!と気合いが入って打ち込めたバイトな日々であった。。
箸が転んでもおかしい年頃とはよくいったものです。
何でもない事でずっと笑っていたのですね。
そんな頃を懐かしく思い、そんな気持ちを忘れたくなくて‥😅
学生の頃の友人とは今でもくだらない話しで盛り上がれます。
コロナで会えない日々ですが、コロナが落ち着いたらバカ話に花を咲かせたいものです🤪